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図5. 入射波高と遊水部平均水位上昇量

Fig.5 Incident Wave height and Wave-setup

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図6. 入射波高と平均導水流速

Fig6. Incident Wave height and Inflow Velocity

が潜堤天端(b)、潜堤天端−5.0?の場合では周期の依存性は明確ではない。これは、潜堤周辺で必ず砕波することによるものと考えられる。この3潮位の実験ケースから、最も平均水位上昇量が大きいのは潮位が潜堤天端高と等しい場合である。

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図7. 遊水部平均水位上昇量と導水流速

Fig7. Wave-setup and Infrow Veloity

入射波高と平均導水流速の関係を図6(a),(b)、(c)に示す。この図から両者に強い相関があることがわかる。また、周期に対する依存性はあまり明確ではない。特に潮位が潜堤天端高−5.0?の場合平均導水流速が波高約2.5?程度から生じることがわかる。これは潜堤を越流し始めるのが波高約2.5?であることを示している。遊水部の平均水位上昇量と平均導水流遠を図7(a)、(b)、(c)に示す。やはり両者に強い相関があることがわかり、周期の依存性は明確ではない。図中の曲線は平均水位上昇量及び流量係数から求めた流速に0.7を乗じたものである。この0.7は通常定常状態であれば1.0であるはずだが、流速の変動、遊水部の水位変動等の非定常性のために生じたものと思われる。図4(a)はこの曲線に良く合致するが、図4(b)、(c)ともに若干実験値は小さい。
4. 海水導入量の算定モデル
これまでの実験結果から、導水流速は入射波諸元と潜堤天端高、潮位に依存し、更に導水流速は一定ではなく遊水部の水位変動と良く対応して変動していることがわかった。ここではこの現象をモデル化して、導水流速を入射波高から算定する手法について述べる。導水流速は遊水部の水位上昇と強い相関関係がある。この水位上昇量は潜堤を越えてくる波によって遊水部に流入する水の量、潜堤から沖側に流出する戻り流れ及び導水孔からの流出量によって決定されるであろう。まず遊水部への流入量Qinは、潜堤天端高が潮位以下

 

 

 

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